#NT1226A-2 =超寿命な伸縮素材=

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「はじく=撥水」の話

前回の「はじく」と「ふせぐ」の違いに引き続き、シャツ地などにもお勧めしているNT1226Aの「はじく=撥水」について詳しくお話しします。

【ロータス効果】

 皆さんは蓮の葉の超撥水性についてご存じでしょうか?
陽が当たらない泥の中には根や茎が隠れており、空気や水分を送る構造になっています。そのため、蓮の葉に泥水やゴミが溜まらないよう、葉の表面に広がる微細な凸凹によって水を弾き洗い流すことで綺麗な状態を保っています。

 この仕組みは「ロータス効果」と呼ばれており、NT1226Aの「はじく」も、この自然界を生きる為の術を応用して生み出されているのです。

【左:蓮の葉】
葉の表面に広がる微細な突起の凸凹構造とワックス成分の効果で水をはじく、天然の撥水機能。

 NOTO QUALITYが採用している「C0」撥水加工は、ロータス効果を用いたもので、これまでとは違って、人体や環境にも配慮されたフッ素化合物を含まない撥水剤を使用しています。

【水の性質と界面張力バランス】

 生地が水を撥水するには「水分の表面張力」と「生地の表面エネルギー」との「界面張力」のバランスが必要です。もう少しわかりやすく説明すると、水の分子は内側にエネルギーを溜め込むことで丸い水滴を保ちます。これを表面張力と呼びます。一方で生地の表面にロータス効果と同じく微細な凹凸を作ることで、水滴との接触をできるだけ少なくし、水分子が丸型を保てることで撥水効果を得ています。この接触する面積が大きくなり、水滴は丸型を保てず、バランスが崩れて生地に染み込んでしまうのです。

水分子は内側へエネルギーを溜め込む力が働き、水滴は球体を保とうとする。接する布にも分子エネルギーや重力が作用しているため、撥水させるには水分子のエネルギー≧接する布の分子エネルギーを成立させなければならない。

 NT1226Aで作られたアイテムは、撥水機能によって生地表面についた汚れを落としやすくし、汗をかいても肌離れが良くなっています。蓮の葉が清潔さを保つように、このNT1226Aもアイテムが綺麗で美しい状態を継続できる素材なのです。

 次回は、撥水加工の変遷や、「C0」はなぜ環境や人体に優しいのかを詳しくお伝えすると共に、これからの目指すべき技術や課題にも触れていきます。

Art #:NT1226A
Function:STRETCH
Composition:Polyester100%(Recycle 63%)
Size:130*49
Weight:132g/㎡

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